エースが間に合った! ジュビロ磐田は29日、明日12月1日の最終節アウェー川崎フロンターレ戦(午後2時、等々力)に備え、磐田大久保グラウンドで約2時間の調整に励んだ。紅白戦では、右足を負傷していたFW川又堅碁(29)が主力組の1トップでプレー。引き分け以上で残留が決まる大一番で、3試合ぶりの先発復帰が濃厚となった。

命運を懸けた一戦まで残り2日。磐田大久保グラウンドで行われた紅白戦に、FW川又が戻ってきた。セットプレーの確認では、MF中村俊輔(40)のCKを豪快に頭で合わせる。紅白戦でも主力組の1トップに入り、最前線で体を張った。前日28日に合流したばかりのエースは「楽しみでしょうがない。体も動いているし、いける」と、自らGOサインを出した。

表情には覚悟がにじんだ。3日のホーム広島戦で右太ももを痛め、途中交代。離脱を余儀なくされた。当初は、24日のホーム札幌戦に照準を合わせてリハビリに励んだが、復帰はかなわず。チームも0-2で敗れ、残留を決めることができなかった。「再検査をしても、結果が変わらない。イライラした」。力になれなかった思いは、この最終戦にぶつける。

現在チームは、J1参入プレーオフに回る16位名古屋と勝ち点1差の13位。川崎F戦では、引き分け以上で自力残留が決まる。敗れた場合でも、他会場の結果次第でJ1生き残りが確定する。それでも、川又の視線は勝ち点3だけに向けられていた。

「引き分け狙いなんて考えていない。全員で『勝ちにいく』という気持ちを持って戦うことが大事。アウェーに駆けつけてくれるサポーターのためにも、しっかり戦いたい」

勝って、残留を勝ち取る-。エースとして、その先頭に立つ。【前田和哉】

◆磐田のJ1残留条件 最終節のアウェー川崎F戦に、引き分け以上で自力での残留が確定。敗れた場合は、他会場の結果によって以下のいずれかの条件で決まる。(1)15位鳥栖が敗れる(2)14位湘南と16位名古屋の直接対決で、どちらかのチームが勝利する(3)勝ち点で並ぶ12位横浜が、磐田の得失点差を下回る大敗を喫する。