J3最終節で、今季で引退するSC相模原の元日本代表GK川口能活(43)が現役ラストマッチを完封勝利で飾った。ホームの鹿児島ユナイテッドFC戦で3カ月、リーグ13試合ぶりに先発出場。最多1万2612人の観衆の前で、変わらぬスーパーセーブを連発した。

記者会見での一問一答は以下の通り。

-今の気持ちは

川口 まだ実感が湧かないですね。試合中、左のもも裏が張ってしまった。明日から練習、試合がないと思って、たとえ肉離れしてもやる覚悟でやれた。いつもなら急いでアイシング、ケアするけど、それをせずに終われる。正直、実感は湧かないです。

今シーズン、自分が出た試合では大量失点が続いてチームに迷惑をかけていて、今日も4点、5点取られたらどうしようと半分恐怖だったけど、キーパーにとって理想のスコアで終わることができた。キャリアの最後の試合でこういう終わり方ができて、これだけのサポーターの方々に足を運んでいただいて、僕は本当に幸せ者だとあらためて思いました。

-どんなプレーを見せたいと思って臨んだ

川口 久しぶりの試合で不安はあったけど、引退することを選手みんなに話してから、選手たちのハードワークさがさらに向上していた。練習試合などでも若手の選手が頑張ってくれて、0-4から終了間際に4点目を決めて試合を振り出しに戻した。彼らが「能活さんには負けさせられない」と、練習試合からそういう気持ちで挑んでくれた。みんながそういう気持ちでいてくれて、この1カ月、本当に幸せだった。今日の試合もみんなが助けてくれて、自分がみんなと向き合ってきたことをプレーで返してくれて、すごくうれしかったです。

-セーブのシーンを振り返って

川口 キックのフィードで悪いリズムを作り試合を難しくしてしまった。1対1は自信があったし守備において絶対にやらせないという気持ちで臨んだ。ここまでプレーしてきたいちばんのストロングポイントを最後の試合で出せたのはうれしかったです。

すごく長かったですね、ロスタイムも5分あって。仕方ないところはあったけど、もう少し短くしてほしかったです(笑い)。それだけ長い時間プレーを見せることができたし、今シーズンふがいない結果が続いていて、最後1-0で終わることができてうれしかったです。

-終了のホイッスルを聞いた時は

川口 泣いて喜びましたね。ウメ(DF梅井)もヨネ(DF米原)もすぐに近寄ってきてくれて、1点救ってくれた丹羽はコワモテのところがあるけど僕のところに来てくれた。思わず感極まってしまいました。

キックのところでリズムをつかめなかったけど、守備のところで仕事を果たせたのは、練習の成果が出せた。自分らしいプレーで勝利できたので最高にうれしかった。次のステージに向かうにあたり、スッキリした新しい気持ちで挑戦ができると感じました。

(続く)