東京ヴェルディはジュビロ磐田に力負けし、08年以来11季ぶりのJ1復帰はかなわなかった。まずコイントスで磐田に負けた。風上に立たれると、最終ラインを高く保ちハイプレスをかけてくる相手にミスを連発。前半のシュートは0本。16年J1得点王のFWレアンドロらを投入して得点を狙った後半もシュート2本に終わり、J2の6位からの下克上は果たせなかった。

アウェーの重圧ものしかかった。名門復活への大一番だったが、相手GKの第1ユニホームの色とかぶり、かつてJリーグを席巻した伝統の緑のシャツは着用できず、ピンクの第2ユニだった。力の差は明らかで、ボールを保持する普段の攻撃スタイルは鳴りを潜めた。MF佐藤は「プレッシャーに負けた選手は何人かいた。現実的に受け止めないといけない」と唇をかんだ。

昨季スペイン人のロティーナ監督が就任。ポジションごとの役割を明確にして守る欧州仕込みの戦術を植え付け、16年に18位だったチームを就任1年目で5位に引き上げた。今季は戦術にさらに磨きをかけ、失点数は優勝した松本山雅FCに次ぐ、J2で2番目に少ない41。今回のプレーオフでも1、2回戦は無失点で、この日も流れの中での得点は許さなかった。試合後に涙ながらに客席に手を合わせ謝罪したDF田村は「監督のもとでプレーできたことは、一生の宝物。この経験を生かさないといけない」。来季はクラブ創設50周年。節目の年こそ笑顔でシーズンを終えることを誓った。【松尾幸之介】