G大阪は9日、本拠地パナスタでサポーター参加のイベント形式で、タイからJリーグに戻ったDF青山直晃(32)ら新加入4選手をお披露目した。今季のスローガン「GAMBA ISM(イズム)」も発表。3季連続無冠、昨季は終盤戦まで残留争いに追い込まれた現状からの打破がコンセプトだ。昨季途中に就任し、残留に導いた宮本恒靖監督(41)は「ガンバがいるべき位置に戻るためのシーズン」と決意表明した。

現役時代にも強いG大阪を築き上げてきたからこそ、その狙いはシンプルだった。宮本監督は「優勝できるのは(J1)18チームで1つ。簡単ではないが、そこに向かって(チームを)向上させていく」と言った。昨季はJ2降格危機にあった厳しい状況での就任。そこから9連勝もあって、9位に押し上げた。今季は18チーム横一線からのスタート。目標は上がる。

スローガンは「GAMBA ISM」。強い、魅力的な姿を取り戻すコンセプトだ。宮本監督は「自分たちの攻撃を仕掛けていく姿勢であったり、人を自分を魅了するようなサッカー。それは自分がアカデミーにいた時から培われたもの」。具体的には「後ろでゆっくり回すよりは、スピード感を持ってやっていきたい。ゴールへの最短距離。シンプルにゴールに向かう、奪う。横パスより縦パスを優先する。そういうサッカーが見ている方もおもしろい」とビジョンを掲げた。

この日、お披露目された新加入選手は4人。即戦力はベテランDF青山、ドリブルが特徴のMF田中の2人と、目立った補強は行っていない。それでも指揮官は「今日、選手と久々に会ったが、いい顔ばかり。しっかりトレーニングしてきたと感じた。シーズンが始まると実感した」と楽しみを隠さない。

3季連続の無冠。タイトル奪還への期待はひしひしと感じる。「1試合1試合をしっかり戦う。その延長にタイトルがあれば。地に足をつけて戦う」。勝負の2年目が幕を開けた。【実藤健一】