サッカーの帝京長岡・MF谷内田哲平(2年)が30日、学校で練習を再開した。24日から27日までは日本高校選抜の候補合宿(静岡・時之栖SC)に参加。2日間のオフを経て、除雪したグラウンドで巧みなボール扱いを見せた。2月1日からは、沖縄でキャンプを張るJ2京都サンガF.C.の練習に参加。高校生活最後の年は内容の濃い1年になる。

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谷内田の表情は引き締まっていた。視線は、上だけを見ていた。2日間のオフが明けて再開した30日の学校でのトレーニング。2月1日から8日までJ2京都の沖縄合宿に練習参加するが、学校での2日間の練習にも手抜きは一切ない。「2日間の練習でも高校生は成長しなればならない」と高い意識を言葉にした。

24日からの日本高校選抜候補・選考合宿に27日まで参加してきた。2年生の修学旅行(米ハワイ=25~29日)と時期が重なっていたが、谷内田は迷わず候補合宿を選んだ。「何なら、ずっとサッカーをしていたい」。高校代表は28人の候補から最終的に18人に絞り込まれ、4月のデュッセルドルフ国際ユース大会(ドイツ)に参加。「18人に残る自信はない」と話した谷内田だが、思いはすでにプロへ一筋だ。選考合宿にも、J2京都の練習参加(20~23日)から直接、合流していた。

谷内田は「この1年をプロで活躍するための期間にしたい」と話す。京都以外に、J1クラブからの練習参加の要請も届いており、ワンランク上のスピードとコンタクトを実感していくつもりだ。古沢徹監督(33)も「(Jの)練習参加で感じた課題が、この1年間で克服しなければならないテーマになる」と言う。長岡JY(ジュニアユース)に所属していた中学2年から、帝京長岡の選手としてプリンスリーグ北信越に出場していただけに、上のレベルの順応力は高い。

アイデアあふれる多彩なパスが持ち味の谷内田は、広い視野。「上から見ている感覚でピッチ全体を見渡す」と状況を把握して最良のパスを選択する。「相手の目を見れば、何をしたいか分かる」と1対1で、相手の裏をかくプレーも特長のひとつ。「20年東京オリンピック(五輪)の次の五輪で代表になりたい。まずはそこ」と話したが、設定した目標は高い。「スペインのバルセロナに入りたい。日本代表にもなりたい」。日本高校選抜へ、J入りへ。谷内田の夢実現は、これから本格的に始まる。【涌井幹雄】

◆谷内田哲平(やちだ・てっぺい)2001年(平13)11月1日、長岡市生まれ。前所属は帝京長岡の下部組織・長岡JYFC。8強に入った1月の全国高校サッカー選手権では優秀選手に選出された。U-15、16日本代表。好きな選手はスペイン代表MFイニエスタ(34=神戸)。170センチ、65キロ。血液型B。