J2アルビレックス新潟は10日、クラブハウス隣接のピッチで練習した。練習メニューのメーンは、攻撃のトレーニングだった。第8節終了時点でFWの先発出場は6人選手と、前線のポジションは激戦区。前節アウェー・ファジアーノ岡山戦で先発フル出場したFW平松宗(26)は、次節ホームモンテディオ山形戦(13日=デンカS)の先発へ名乗りを上げている。

片渕浩一郎監督(43)が声を張り上げた。「ナイス・ワンタッチ」。4対4ので繰り広げたゲーム形式で、FW平松が選択したプレーへの称賛だった。後方からのパスを右サイドでワンタッチでさばき、前線に上がるFW渡辺新太(23)にボールを供給したパス。ゴールにもつながった。アシストばかりではない。3形態で行った実戦形式の中では、何度もDFの背後に走り込み、ラインを上下に揺さぶった。「背後を取るのは(片渕)監督が要求しているプレーのひとつ」。ボールを持っていなくても、献身的に走った。

新潟のシステムは4-4-2。2トップは8戦を終えて先発出場を6選手が果たした。前節岡山戦は途中出場のFWフランシス(28)が2得点と、FWの出場争いは激化だ。片渕監督は「調子がいいだけでは選ばない。ポジションバランス。相手との力関係。いろいろ組み合わせて化学反応を起こさせる」と話しているだけに、アピール合戦は必然的に激しくなる。

そんなポジション争いに参戦している平松は、頑固に練習でDFの裏に飛び出すプレーを繰り返した。「どんなに疲れていても(ゴール前に)入っていく。やっていかなければならないこと」。平松は次節への準備は調っていた。【涌井幹雄】