6月に行われるW杯フランス大会のメンバー発表を10日に控え、その発表前最後のリーグ戦。INACと日テレが引き分けた女子屈指の好カードには、サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」の高倉麻子監督(51)が視察に訪れた。

試合は前半20分、FW増矢理花(23)がペナルティーエリア手前でボールを受けると、相手DFをフェイントでかわしてゴール。先制弾を突きさした。後半はディフェンス中心の作戦にシフトし、逃げ切ろうとしたが、後半ロスタイムに同点ゴールを奪われ、引き分けに終わった。

代表発表へ最後のアピールの場。しかも、高倉監督の“御前試合”で、先制点を奪った増矢は「チャンスがあったら遠くからでもゴールを狙おうと考えていた」。ただ、チームとしては、終了間際に同点に追い付かれ、DF鮫島彩(31)は「失点がもったいなかった」と悔しそうに言葉を発した。高倉監督の視察には「試合に勝つことだけを考えている。(監督を)意識したところで変わらない」と淡々とした表情で語った。

鈴木俊監督(45)は、後半残り15分で増矢に代えDF羽座妃粋(23)を投入。「1点を守りきる」メッセージだったが、結果として守りきれず「私の責任です」と肩を落とした。

またこの日、前節浦和戦で右ひざを痛めて途中交代した岩渕真奈(26)はベンチ外だった。鈴木監督は、岩渕について「無理をすればやれるが、代表に選ばれた時に良さが出せるように大事を取った」と言い、あくまでも大事をとっての欠場だったことを明かした。