清水エスパルスが苦しみながらも勝ちきった。前半から終始ボールを支配するも、ゴール前を固める相手の守備に苦戦した。

同21分、MF滝裕太(19)が左サイドを突破。強引に左足でシュートを放つも、GKにセーブされる。その後も、ボールを保持しながら押し込むが、展開は変わらず。パスミスからカウンターを受けるシーンもあり、決定機を作られた。

「天皇杯初戦は難しいが、自信を持ってパフォーマンスしてほしい」。篠田善之監督(48)はリーグ戦で出番が少ない選手を起用。6月30日のアウェー鳥栖戦からスタメン10人を変更した。FW鄭大世(35)も5月18日のリーグ大分トリニータ戦以来となる公式戦出場。ベテランFWは前線で体を張って起点を作ったが、ゴールが遠かった。前半は0-0。格下相手に苦戦を強いられた。

ハーフタイムに指揮官は「慌てずに判断を早く。全員でこのゲームをモノにしよう」と指示。後半13分にはMF中村慶太(26)に代えてMF西沢健太(22)を投入し、同24分にはFW北川航也(22)も途中出場。リーグ戦での主力を入れ、勝負に出た。

相手はJ3最下位の控えメンバーだった。篠田監督は「次に進むことが大事」。じれずに攻め続けると、最後のチャンスを確実に仕留めた。同ロスタイム、クロスからのこぼれ球をMF河井が右足ボレーで決めて決勝点。辛くも4年連続初戦突破を果たした。【神谷亮磨】