J2アルビレックス新潟は、アウェーのヴァンフォーレ甲府戦(中銀スタジアム)を翌日に控えた20日、聖籠町のクラブハウス隣接ピッチで調整した。クロスからのシュート練習でトレーニングで締めて、敵地に乗り込んだ。

14日のホーム東京ヴェルディ戦でJ初ゴールをヘッドで決めたMFシルビーニョ(29)は全身を弾ませて練習に取り組んでいた。前節まで4試合連続で先発出場しているMFは強烈なヘディングシュートを2本たたき込むなど好調をアピールした。

   ◇   ◇   ◇

表情も、口調も弾んでいた。シルビーニョは「また、ヘディングで決められればいいと思う」と今日21日の甲府戦でヘッドでの2試合連続ゴールを“明言”した。豪快なミドルが持ち味だが、ヘディングも得意なプレー。全治6カ月の左ひざ故障に見舞われた17歳の時に、リハビリとして取り組んできたのがヘディングだった。上体ごと頭を振り抜くヘディングは、リーグ終盤の新潟にとって大きな武器になる。

Jリーグ初ゴールまでは長かった。第3節柏レイソル戦(3月9日)の途中出場でJデビューを果たしてから17試合目。通算956分でゴールは決まった。第17節FC岐阜戦(6月8日)から10試合連続で試合メンバー漏れしていたが、ブレずにゴールを目指してきた結果だ。「自分のために決めたい。サッカー人生の中で、これだけ長い期間、ゴールを決められなかったことはない」と熱望していたゴールは、長女ミレイラちゃん(8)が涙ぐみながら喜んだ記念弾でもあった。

「チームに貢献したい」とチームの勝利を最優先するシルビーニョには守備意識も芽生えた。7日のホームジェフ千葉戦後だった。吉永一明監督(51)に呼び出され、守備の緩さを指摘された。「試合の映像を見せられて『ここはマークしてないぞ』と言われた」。そんな指示を受けて、東京V戦は前線から守備に走った。「ディフェンスはチームに貢献するためのひとつ」と言う。「日本で長い間プレー出来るように結果を残したい」。そのためにも甲府戦は負けられない。【涌井幹雄】