前年度王者の青森山田が米子北(鳥取)に6発快勝で、連覇への号砲を鳴らした。前半序盤は決定機をつくれず苦戦したが、同36分にMF松木玖生(くりゅう、1年)が豪快ヘッドで先制。後半にはJ1浦和レッズ加入が内定しているMF武田英寿主将(3年)がループシュートとPKで追加点を奪うなど、相手を圧倒した。

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先制点が奪えず苦しむチームを救ったのは、1年生の松木だった。右サイドでスローインを受けた武田が相手2人を引きつけながらパス。抜け出したMF後藤健太(3年)がピンポイントクロスを供給し、松木がゴール中央で打点の高いヘディングをたたき込んだ。「ヒデ(武田)さんがいい感じにタメをつくってくれて、(後藤の)素晴らしいクロスを合わせるだけだった。負ける気はしなかったし、よりいい打点を出せた」と手応えを口にした。

昨年12月に行われた高校年代日本一を決める高円宮杯U-18プレミアリーグファイナルでも、松木は決勝点を決めている。青森山田OBで1年からレギュラーだった日本代表MF柴崎岳(27=デポルティボ)のようにゴールに絡み、違いを見せられる選手になりつつある。「学年は関係ない。ゴールへの嗅覚を持てているし、ボールが来るところを予測できている。得点に絡んでより貢献できれば」と前大会王者のレギュラーとして、堂々と振る舞う。

黒田剛監督(49)は「度胸があるし、(1年のときの)柴崎よりも肝が座っているし、体も早くできた。物おじしない性格を出せている」と松木を評する。後半1分に貴重な2点目を決めた武田は、足を滑らせた相手からハーフウエー付近でボールを奪うと独走。GKの動きを落ち着いて見極め、利き足の左でループシュートを突き刺した。「走っていたのが良かったし、無失点に抑えられたことが一番」と振り返った。初戦から攻守ががっちりとかみ合い、連覇に向けて死角はない。【山田愛斗】