川崎フロンターレや名古屋グランパスを指揮した風間八宏氏(58)が11日、東京タワーメディアセンターで指導者を対象にした講習会「風間塾」を開催した。

プロ経験を持つ指導者やアマチュアの指導者、大学でプレーする学生らが参加。当初は1部制だったが参加希望者が多く、午前と午後の2部に分かれて開催された。

川崎F、名古屋でトップからユースを含め浸透させた「止める」「蹴る」「運ぶ」「外す」の動きを、風間氏は実際に自ら実践して手本を見せ、参加者も実際に体を動かし、パスやトラップ、ドリブルを学んだ。「運ぶ」動きとなるドリブルでは「自分の体を後ろから押すような感覚」など、イメージしやすい言葉を投げかけた。参加者は「止める」「蹴る」の正確性を身に付けることで、パスコースや相手の動きを見極める速さが生まれることも体感。各参加者は、どうしたらボールが止まるか、どうやったら正確なキックを出せるかにこだわりを持ち、楽しみながら実践。短時間ながら上達する様子がうかがえた。

風間氏は「指導者は選手に伝えるためのデモンストレーションができること」「たくさんボールを触らせること」など、指導法を伝授。実際、川崎Fや名古屋でも、選手たちが「止める」「蹴る」のこだわりを持つことで、練習後や練習前に時間があればボールを触りキックやトラップを練習していたことも例に挙げた。参加者は「現役時代にこのこだわりを持っていたら」「トラップでボールが止まっていないと分かった」「パス練習だけでこんなに楽しいことはなかった」など、充実した表情を見せていた。

風間氏は、これまで独自の理論を解説している指導DVD「風間八宏 FOOTBALL CLINIC」を発売しているが、J1での監督経験を踏まえ、新たな視点と技術理論を加えた新DVD「風間八宏 FOOTBALL CLINIC アドバンス」(全2巻、販売元ポニーキャニオン)が発売されることも決定。新DVDは3月18日発売で、1月21日から予約が開始される。