J2アルビレックス新潟は5日、J3ブラウブリッツ秋田と高知キャンプ6試合目となる練習試合を高知県立春野総合運動公園陸上競技場で行い、0-0で引き分けた。今季プロ20年目でチーム最年長のFW田中達也(37)が初めて90分間フル出場し、懸命にアピールした。

果敢なプレーは健在だ。味方からパスを受けた田中はすぐに前を向きドリブルを仕掛ける。ペナルティーエリア付近では迷わずにシュート。守備でも相手にプレッシャーをかけ、奪われたボールは取り返そうと追う。ワントップに入り、90分間積極的なプレーを貫いた。「自分にも得点のチャンスが2、3度あった。そこで決められなかったのが悔しい」。90分にまだ体は慣れていない。それでもゴールへの執念はシーズン中と同じだった。

新潟在籍8年目。「序列は一番下だと思っている」。昨年11月に契約満了を告げられて1度は退団が決まったが、1月に再契約。新外国人選手のファビオ(22)ペドロ・マンジー(31)に、成長株の渡辺新太(24)、ルーキー矢村健(22)のFW陣との競争が待つ。「だから、練習試合から結果を残さなければならない」と集中力を高める。

アルベルト監督(51)は「練習や試合に向かう姿勢など、すべてが若手のお手本になる」と絶賛する。もちろん田中はお手本で終わるつもりはない。体重はシーズン中の59キロから2キロ増えて61キロ。「もっと増やしたい」とパワーアップを図る。「ゼロ、いや、マイナスからのスタート」。自分を追い込んだベテランがチームを活性化させる。【斎藤慎一郎】