なでしこリーグ1部、新潟レディース(L)の新加入選手の中でトップクラスの実績を持つのがFW児野楓香(22=日体大)だ。年代別代表に名を連ね、14年のU-17女子W杯と18年のU-20女子W杯で、ともに「世界一」を経験した。なでしこジャパン(日本女子代表)入りを目指す即戦力FWは、開幕から得点量産を狙う。

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児野は大舞台に強い。NO・1を決めたゲームで躍動し、何度も主役の1人になってきた。2-0で初優勝したU-17女子W杯の決勝(対スペイン)は途中出場して1ゴール。早大に2-0で勝ってV2を決めたインカレは1ゴール1アシストで全得点に絡んだ。新潟Lの1年目は「個人的には得点王。チームはタイトル」とゴールマウスに積極的に迫っていく。

9日間の強化キャンプ(栃木)は今月1日に終わった。「メチャメチャしんどかった」と話した児野は、それ以上にキャンプを楽しんできた。「ほかの選手のうまいプレーを見つけるのが楽しかった。トラップしたボールを蹴りやすい位置に落とす技術など勉強になった」。探求心にあふれ、向上のヒントを発見してきた。DFラインの裏に瞬時に飛び出すのが身上だが、プレーの引き出しをキャンプで増やした。

なでしこリーグの1部はすでに経験済み。昨季は日体大FIELDS横浜のメンバーとしてリーグ戦13試合に出場し6得点。出場が13試合にとどまったのは右太もも肉離れ、右内側靱帯(じんたい)損傷と故障が原因だった。故障回避につながる体を作るため、力を入れているのは筋トレだ。「なでしこジャパンに行けるんやったら、いつでも。そう簡単ではないけれど…」。児野のチャレンジはもう始まっていた。【涌井幹雄】

◆児野楓香(この・ふうか)1998年(平10)1月15日生まれ、愛知県出身。静岡・藤枝順心高から日体大に進学。サッカーは小学2年からシルフィードFCで開始。高校日本一も経験。U-16、17、19、20日本女子代表。154センチ、49キロ。