米女子サッカーリーグ(NWSL)のOLレインに完全移籍することを発表していた日本代表MF籾木結花(24)が23日、日本ブラインドサッカー協会主催の「第5回オンラインブラサカ親子広場」に出演し、24日に予定する渡米前、最後の活動を終えた。

籾木は22日に、なでしこリーグ1部の日テレ・ベレーザからレインへの移籍を発表した。一夜明けたこの日は、事前募集していた小学生から高校生までの視覚障がいのある子どもと家族、約20人と交流。「小さな身体で世界と戦うこと」をテーマに、自身の生い立ちや、これまでのサッカー選手としての取り組みなどを語った。

米国挑戦については「とりあえず、やってみようというのはありました。まずは契約して行くことは決めて、起こったことに対して自分で何かを考えてやっていければ怖さも克服できるのかなと思います。実感も全然ありません」と話した。

子どもたちの中にはブラインドサッカーに励む選手もおり、153センチの体で日本代表の主力としても活躍する籾木へアドバイスが求められる場面もあった。籾木はひとつひとつの質問に丁寧に答え「例え体が小さいことが不利だと言われていても、そこから有利なこともたくさん生まれてきます。そこから自分が何ができるのか。それが自分の特徴になると思います」などとエールを送った。

渡米前、最後となるイベントを終えた籾木は「視覚障害を持ったいろんな方と交流したいという気持ちがあったので、ギリギリのタイイングですけど参加できてよかったです。みんなもいろんな葛藤や怖さがありながら活動しているんだなと思いましたし、自分も勇気をもらいました」と振り返った。

あらためて米国での活躍も誓い「この小さい体でも勝てるんだということを証明していこうと思っています。むこうで活躍する姿をみんなに届けて、少しでも刺激になれたらなと思います」と意気込んだ。

同イベントは、社会で活躍する視覚障がい者や、ブラインドサッカーに関わる人らを毎回ゲストとして招き、生い立ちや活動についての講演のほか、視聴者からの質疑応答にも応じるオンラインプログラム。籾木は以前にブラインドサッカーの体験イベントにも足を運んでおり「この中でプレーしている選手はすごいんだなと思いました」とその感想を語った。

また、視覚情報のない難しさを体験し、日々のコミュニケーションでは気づかなかった部分にも思いをめぐらせるようになったといい「空気を読むとか、目線を合わせて会話をするというだけでも大きく変わるものがある。普段生活する中でももっとうまく伝えられたり、もっと表現を選ぶこともできると思いました」と自身の日常生活での応用にも触れていた。【松尾幸之介】