ヴィッセル神戸のトルステン・フィンク監督(52)が28日、神戸市内での練習後にオンライン取材に応じ、正直な胸の内を明かした。

29日の横浜Fマリノス戦(ノエスタ)へ向けて「(現在6位の)横浜が(J1リーグ戦で)首位の川崎フロンターレに追いつくか分からないが、横浜は連覇する意気込みでやっているので、神戸とすれば阻止する考えでないと結果は出せない」と、昨季J1リーグ戦王者の前に立ちふさがる決意を示した。

「神戸が今季、トップクラブとやり合えているのは証明しているし、目の前の1戦1戦には勝てると思っている。だが、シーズン通して2チームよりいい成績を残すのは難しい。川崎Fは完成度が高く、横浜は昨年優勝して今夏には補強もしてより強くなった。シーズンを通してやり合うのは難しいが、我々は目の前の試合に集中して、カップ戦もあるし、できるだけいい成績を残したい」

ドイツ人指揮官は、15日の時点で「優勝はあきらめていない」と発言していたが、そこから鹿島アントラーズ戦、柏レイソル戦の2試合連続で後半ロスタイムの失点で痛恨ドローと負けを喫し、ここ4試合で1勝2分け1敗と大きな足踏みをした。

実際に首位川崎Fとは勝ち点15差。優勝をあきらめてはいないが、現実問題として9月2日のルヴァン杯準々決勝、10月に再開されるACLでのタイトル獲得に比重を置くものとみられる。これだけの過密日程で軌道修正は、むしろ当然の流れかもしれない。

故障で2試合連続欠場している主将のMFアンドレス・イニエスタ(36)や、DFトーマス・フェルマーレン(34)については「けが人は基本、4週間以上の離脱の場合のみ発表するので、それ以外の選手は、そのうち試合に出てくると思ってください」と説明。負傷の詳細を発表されていない2人は、大事をとって欠場を続けるとみられ、9月2日の川崎Fとのルヴァン杯準々決勝へ照準を合わす可能性が高い。

「ここ数試合は、出ていたメンバーでいいサッカーができて、いい方向に進んでいる。この流れに乗ってほしいのはあるし、だからこそ選手を信用しないといけない」と説明。引き続き若手を積極的に起用し、横浜戦も急成長中のMF安井拓也(21)の3試合連続先発が濃厚だ。【横田和幸】