FC東京は名古屋グランパスを3-0で下し、4年ぶりに準決勝に進んだ。

東京オリンピック(五輪)世代のMF安部柊斗(22)が前半37分に先制点、後半8分に追加点を奪い、2得点と躍動した。移籍や負傷で主力が相次いで不在となる中、期待のルーキーが輝きを放った。2連覇を狙う川崎Fのほか横浜、柏も勝ち上がった。

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蒸し暑さが残る味スタで、髪をチームカラーの青に染めた安部が躍動した。先制は前半37分。右サイドからの低く速いクロスに遠いサイドから走り込みながら、前にいる日本代表FW永井に「スルー!」と叫ぶ。永井が触らずに股を通し、きたボールを右足ダイレクトで蹴りこんだ。鮮やかな先制点に「2人に感謝したい」と笑顔を見せた。

ハーフタイムにチームで確認し合った勝負のカギは次の1点。これもまた安部が決めた。FWディエゴ・オリヴェイラの折り返しを受け、難しい角度から左足を振り抜きゴール右隅を射抜いた。試合を決める2得点に「いい形でとれて自信になった」と胸を張った。

チームはMF東主将の負傷やMF橋本の海外移籍などで主力がこぞって不在に。ルーキーながら、安部にかかる期待はより大きくなった。試合での走行距離は常にチームトップクラスの背番号31は「自分が引っ張っていかないといけないという気持ちになった」と強まった自覚を口にした。日本代表とU-23日本代表を兼任する森保監督が視察に訪れた中、思いを体現するプレーを見せた。【岡崎悠利】