みなさん、こんにちは。ユーチューバーの那須大亮です。今回は、1度YouTubeを離れ、サッカー選手の引退について、自分の考えを話したいと思います。先日、鹿島やブンデスリーガのシャルケ、日本代表で活躍した内田篤人選手が現役引退を発表されました。最後の試合になったG大阪戦後のセレモニーでのコメントを見ました。最後までさわやかなオーラに包まれていました。言葉からは、相当な葛藤を持ち続けていたこともうかがえました。

私は昨シーズン限りで引退しました。大きなキャリアを築いた内田選手の心中をはかることはできません。通じるものを感じたのは、引退を意識するきっかけとして「選手としてチームの力になれない」という自覚が生まれたという部分です。

心と体の状態にギャップが生まれたことが、私が引退した理由の1つでした。試合に出られないという現実ももちろんですが、自分であれば売りだったヘディングが弱くなった。落下地点の見極めがわずかにずれたり、強いシュートを頭でクリアしたときに少し脳振とう気味になるのを感じたり。長所としていたものが劣化するのを感じた。サッカーを続けたい、チームのために頑張りたいという気持ちを優先させて走り続けるか。選手にとって難しい判断です。

引退を決めてから、選手としての最後の日を迎えるまでの日々は色濃く記憶に残っています。自分は幸運にも、所属していた神戸の天皇杯制覇が最後になりました。当時、チームメートだったFWビジャ(元スペイン代表)も引退を表明していた。準決勝に勝った次の日に2人で「また引退が延びたな!」なんて話して笑い合ったこともありました。優勝もでき、本当に幸せな最後だったと思います。

「引き際」は選手によって違います。まだある程度やれるタイミングでやめたい選手、限界までやりたい選手。中にはピッチに戻りたいと感じる人もいます。サッカーはみんなで作り上げるエンターテインメント。かける思いが勝利や敗戦とわかりやすい結果に表現されて、喜びや悲しみに直結します。自分やチーム、多くのサポーターを包む大きな感情を肌で感じられることは素晴らしいことで、他にないやりがいです。自分は完全燃焼したのでいい引き際だったと思っていますが、また戻りたいという気持ちも理解できます。

プレーが見られなくなるさびしさからもあると思います。ただ、私は感傷的になることよりも、新たにYouTubeを通して形あるものを残したいと、迷いなくこのセカンドキャリアを選択しました。内田選手は「サッカーを辞めるだけ」と言いました。引退とは終わりではなく、新たな可能性に向かってふたたびチャレンジする、次なるステージへの出発なのです。