浦和レッズFW興梠慎三(34)が、ホームの鳥栖戦でJリーグ通算150ゴールを決めた。2戦連続の先発出場を果たし、0-1で迎えた後半3分、MF関根貴大(25)のシュートを相手GKがはじいたボールに反応。右足シュートで押し込み、史上6人目となる通算150得点をマークした。試合はFW武藤雄樹(31)が同点ゴールを奪い、2-2で引き分けた。

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待ち構えていたように、こぼれ球が興梠の足元に来た。0-1で迎えた後半3分、関根の強烈シュートを相手GKがはじいたボールは背番号30の眼前に転がった。右足で史上6人目の区切りの150得点を決めた。「PKとこぼれ球以外で取りたかった」と振り返りつつも「ラッキーでもチームのために取れて良かった」と笑みをこぼした。

クラブがグッズ販売でコラボ中の漫画「クレヨンしんちゃん」の主人公・野原しんのすけ君との約束を守った。対談を通じ、頼まれた両手でつくるオッケーを突き出すゴールパフォーマンスを披露。「そろそろ点がほしかったのでカメラ位置をチェックしていた」と照れ笑いを浮かべた。

4月下旬のイベントで「忘れられない得点」として13年4月の湘南戦での移籍初得点を挙げた。移籍6戦目。MF柏木の左クロスをつま先で入れた50得点目だった。3試合前の大分戦から自身のチャント(応援歌)をサポーターが歌ってくれたことで燃えたという。「(周囲に)なかなか歌ってくれないと言われていた。浦和でゴールを決めていない時だったので、うれしかった」。この日、150得点を決めた後、交代で下がる際にはサポーターに多くの拍手をもらった。

7月8日の仙台戦で149得点に伸ばしたが、同下旬に腰を打撲して戦線離脱。8月23日の神戸戦の試合復帰から4戦目で到達した150得点だ。「次は尊敬するマルキ(ーニョス)にあと2点。超えるなら3点。今季の自分の目標としてやりたい」。34歳のエースはまだまだ走る。【藤中栄二】