J1のFC東京は今日10日、リーグ第21節でガンバ大阪をホームに迎える。新型コロナウイルスの感染対策のため観客の収容人数は5000人が上限となっていたが、緩和によりこの試合から最大1万2000人に増える。

コロナとの戦いが続く中での緩和。東京の若林史敏運営管理本部長は「ホームである味スタが安全であることを伝えたい」と語る。人数は最大でここまでの2倍以上になるものの、味スタの収容人数に対しては約25%にとどまる。Jリーグの「規模が大きいスタジアムは30%程度から引き上げる」という指針から、さらに慎重を期した形だ。「お客さんを入れて盛り上げたい」という一方で「リスクを考えながら」。どちらも本心だ。

席数が多いことを生かし、1万2000人に増えた際も横は1席分、さらに1列ごとに空き列を作って観客同士の距離を確保する。飲食店も再開しており、購入したものは座席に戻って食べるよう呼びかける。マスクを外すのも飲食時のみにするよう啓発を続けるなど、サポーターが増えて応援に熱が増すことで緩んでしまいがちな観戦対策をクラブ側が先導して取り組む。ピッチでは選手が勝利を、ピッチ外では現地観戦の安全と安心を第一に考える。

14日の清水エスパルス戦まで最大1万2000人で運営し、問題がなければ24日の横浜戦からはさらに段階的に上限を増やし、この時点からアウェー席も開放する予定だという。青赤でスタジアムが彩られる日常に向かって、少しずつ前に進む。