ケニア代表の柏レイソルFWオルンガ(26)が、ヴィッセル神戸戦で2得点を挙げ、出場20試合で今季21得点をマークした。出場20試合以下での20得点到達は、06年の浦和FWワシントン以来、14年ぶり。柏の総得点42のうち、半分がオルンガのゴールで得点ランクを独走。恵まれた体格に甘んずることなく「ハードワーク」を掲げる真面目なエースは、しばらく誰にも止められそうにない。

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前半20分、オルンガは右サイドを突破したクリスティアーノからのクロスを頭で合わせ先制点を奪う。2-0で迎えた前半44分には、MF神谷がペナルティーエリア左から放ったシュートのこぼれ球をファーサイドで押し込み今季21得点目を決めた。

オルンガ 1得点目はクロスで競り合いの中で腕も使いながら、相手のバランスを崩し、先に体を入れて決められた。2点目は、ストライカーとして、あきらめずに信じながら、足を伸ばして取ることができた。

昨季はJ2で1試合8得点とJリーグの1試合最多得点記録を樹立。今季はJ1で21得点と得点ランクを独走だ。193センチの恵まれた長身に裏に抜ける抜群のスピードを持ちながら「ハードワーク」をモットーにする。今季の得点量産も「ピッチ上でのハードワークと向上心」と分析した。

母国のケニアでは理系の大学で学びエンジニアの道もあったが、潜在能力の高かったサッカーでプロの道を選択した。18年夏に来日して3年目。Jリーグのプレーをしっかり観察し日本に慣れることに努めた。チームメートも「来日した当初に比べ笑顔が増えた」と日本の生活の充実ぶりを語る。

ルヴァン杯準決勝の横浜F・マリノス戦、神戸戦と厳しい試合を勝ちきった。オルンガは「戦術のシステムが変わっても、ハードワークだけは変えられないし、欠かせない」とキッパリ。チームの得点の半分を稼いでも、謙虚な姿勢は変わらなかった。【岩田千代巳】