帝京長岡高(新潟)サッカー部の2年生センターバック、松村晟怜(せれ)が得意の左足と危機察知能力を生かし、世代別の日本代表定着を狙う。初選出されたU-17日本代表候補トレーニングキャンプ(6~9日、千葉・高円宮記念JFA夢フィールド)は、負傷により参加を辞退。この悔しさをバネに、31日に開幕する全国選手権で、自らの存在価値をあらためて示す。

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「お試しの選手ではなく、定着を狙っていただけに悔しいです」。松村は闘志を秘めた静かな口調でそう話した。初招集となった代表候補合宿は、全国選手権新潟大会決勝(11月7日、対新潟明訓)で負った左膝内側側副靱帯(じんたい)損傷の影響で、プレーすることなく初日で離脱となった。「代表スタッフは『選手権もしっかり見るよ』と言ってくれた。また呼ばれるよう、いい準備をするだけです」。左膝はいまだにテーピングをしているが、完全復活を目指し母校の全体練習に合流した。

松村はパスを生かした前線への展開力が魅力のセンターバック。今年の6月、ボランチからコンバートされた。当初は戸惑いもあったが、最後方から攻撃のスイッチを入れる楽しさを知った。身長は入学時から5センチアップした182センチで、体重は5キロ増の69キロ。恵まれた身体を生かした対人プレーと、カバリングにも自信を持つ。日本サッカー協会が4日に発表した代表候補メンバー24人のうち、高体連からの選出は松村を入れて5人のみ。「満足することなく、立ち位置や指示の出し方などの部分をもっと向上させたい」と意気込む。

世代別日本代表定着へ。そのためにまずは全国選手権で、自らの存在価値をアピールする。「今後のサッカー人生を決める大切な大会。チームの優勝に貢献することが、自分の力を示すことにつながると思います」。県勢初の日本一、そして個人の目標を達成するため、全力を尽くす。【小林忠】

◆松村晟怜(まつむら・せれ)2003年(平15)12月3日生まれ、新潟県南魚沼市出身。六日町小1年でFC大和ジュニオルスに入団しサッカーを始め、六日町中からは長岡JYFCに所属。前回の全国選手権は1年生ながらメンバー入り。好きな選手はDFラポルト(マンチェスターC)。182センチ、69キロ。