7年ぶりにJ1に復帰する徳島ヴォルティスが、監督不在のなか開幕を迎える。スペイン出身のダニエル・ポヤトス新監督(42)が、コロナ禍の新規入国制限で、来日のめどが立っていないためだ。25日、バルセロナの自宅からオンラインで会見した指揮官は「たぶん世界でも、こういう形で開幕を迎える監督は、初めてだと思う」と語った。

1月18日の始動から、現場の指揮を甲本偉嗣(たけし)ヘッドコーチ(HC、41)が務めた。リモートでミーティングを重ねたポヤトス監督は、その難しさを「練習の修正をジャスト(その場)でできない」と説明した。

直接助言を送れないハンディは、映像を交え、より選手がイメージしやすいように説明し、補ってきた。日本との時差は8時間。午前6時半に起床した時には、練習の動画が届いている。すぐにチェックし、午前10時のミーティングに備える。「毎日の習慣で朝が早くなっている。早く起きるので、妻にうるさくしないようにしないといけない」と苦笑した。

開幕の大分トリニータ戦(27日、昭和電ド)は、日本時間の午後2時キックオフ。スペインは午前6時だ。当日は試合開始前に、自宅のテレビの前に座る。選手と、代理で指揮を執る甲本HCを信じながら、静かにエールを送る。

「みんなと一緒に戦いたい。遠くにいるが、支えたい」

コロナが収束し、1日でも早くチームに合流できるように願った。【南谷竜則】

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