ベガルタ仙台はコンサドーレ札幌に1-2で逆転負けし、クラブワーストを更新する開幕10戦未勝利(3分け7敗)で、リーグ戦の不名誉な記録を止められなかった。前半16分、大卒ルーキーのMF加藤千尋(22)がJ1初ゴールを決め先制。今季公式戦で初勝利した21日のルヴァン杯広島戦で、プロ初ゴールとなる決勝点を挙げた新星の2戦連発で好発進も、後半に失速し、同10、43分の失点で敗れた。

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苦境の仙台で大卒ルーキーの存在感が増している。前半16分、加藤は同じ22歳で1年目のDF真瀬が上げた右クロスをうまくミート。「真瀬がいいタイミングで抜け出して、目が合い、来るなと思った。ボールは浮いていたが、抑えてシュートできて良かった」。右足ボレーが決まり、リーグ戦5試合ぶりに先制点を奪った。ルヴァン杯広島戦では流通経大同期のDFアピアタウィアのアシストから得点。若手の活躍がチームの希望になっている。

再び加藤にチャンスが訪れた。同33分、MFマルティノスのパスをダイレクトでミドルシュート。ワンバウンドしたボールは右ポストを直撃し、両手で頭を抱えた。「自分がポストに当てたところを決めていれば、もっと楽な試合になった」。後半は押し込まれる時間が長くなり、同10分、中盤のミスでボールを失うと、カウンターで同点に追いつかれ、同43分にCKから逆転された。

先行しながらの黒星に手倉森監督は「2点目を取れるチャンスで取れていればという結果になってしまった」。1-1の同36分、MF松下が必死のスライディングで絶体絶命のピンチを防ぐなど、ギリギリで耐えていたが、試合終了間際の1発で沈んだ。「あれだけ体を張ってしのいでいた中で、セットプレーでやられたのは勝ち急ぐあまりの判断ミス」と嘆いた。28日のルヴァン杯横浜戦、5月1日のリーグ柏戦と続くホーム2連戦で、この敗戦の悔しさをぶつける。