北海道コンサドーレ札幌が3年連続の8強入りを果たした。横浜に3-1で勝利し、プレーオフ2試合を1勝1分けで突破を決めた。

1-0の後半6分、FW菅大輝(22)が左足のスーパーゴールで追加点。2-1の同42分には今季加入したDF柳貴博(23)の移籍後初得点でダメ押しした。昨年の準々決勝でPK戦の末敗れた相手に雪辱した。

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札幌が敵地で白星を飾り、準々決勝進出だ。前線からプレスを掛け、横浜の攻撃を封じた。MF宮沢ら、後半には選手が続々と足をつる。それほど走った。そして逆転を許さずリードを守り切った。ペトロビッチ監督(63)は「選手たちが90分しっかり遂行してくれたのが勝利につながった」。選手やスタッフとハイタッチしながら、喜びの余韻にひたった。

アウェーでの2点目。両チームの明暗を分ける得点だった。その瞬間は、後半6分に訪れた。右CKからのこぼれ球。ペナルティーエリア手前左で菅が左足を思い切り振り抜いた。勢い良くゴール右に突き刺さる豪快シュート。ベンチに控えるMF小野もガッツポーズで興奮だ。「チームとして2点以上を取れば、かなり有利になると思っていた。その1発が取れて良かった」と菅。前日練習から髪を青く染め上げて臨んだ男が、相手サポーターを青ざめさせた。

昨年9月2日、札幌厚別で味わった悲しみを払拭(ふっしょく)した。新型コロナウイルスの影響で一発勝負だった準々決勝。先制するも、1-1でPK戦に突入。5人目で失敗して、敗退が決まった。90分でのシュート数は相手の3倍近く放ち、内容で上回っていた。だが負けた。試合後、PK戦で不運な結果が多い指揮官は、自らの宿命と受け止め「選手たちが成功をつかむために私が邪魔になるなら、自分がいることを考えなければならない」と肩を落としていた。この日も「心に傷を負う戦い」と振り返るほどのダメージだった。そのリベンジを果たすことができた。

準優勝した19年から3年連続の8強入り。カップ戦で結果を残せるのも、クラブとしての成長だ。主力の5選手を欠いても勝利をつかんだ。同監督は「他のチーム、サポーターも注目してくれるのでは。そういう意味で大きな勝利」とニヤリ。自信と勢いをつける大きな勝利で、準々決勝に向かう。【保坂果那】