アルビレックス新潟はホームで大宮アルディージャと2-2で引き分け、リーグ戦再開初戦を白星で飾ることはできなかった。1-1の後半アディショナルタイムにFW谷口海斗(25)が右足で勝ち越しゴールを奪ったが、その直後に同点弾を献上した。土壇場で勝ち点「2」を失った新潟は勝ち点46で、順位を4位に落とした。次節は14日、アウェーで千葉と対戦する。

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歓喜に包まれたスタジアムが、一瞬で静まり返った。1-1で迎えた後半アディショナルタイム、ペナルティーエリア左でパスを受けた谷口は後方に戻るようなドリブルから体をひねると右足を強振。地をはうシュートは相手GKの右手をすり抜け、ネットを揺らした。これで2-1。ゴール後は雄たけびを上げ、ベンチメンバーらとともに喜びを爆発させた。だが、直後に失点。土壇場で追いつかれる展開に谷口は「本当にちょっとしたことで結果が変わってしまう、ということを痛感した」と今季9得点目にも笑顔はなかった。

試合は終始、ボール支配率を上げて攻め込む新潟がペースを握った。序盤は右サイドバックの藤原と左MF本間が両翼から果敢に仕掛けた。前半33分に先制点を奪ったMF島田は中盤の底から正確なロングフィードを散らし、ゲームをコントロール。全選手が球際の激しさや運動量で大宮を上回り、ゴールに襲いかかる勢いでも相手をのみ込んだ。ただ、2度のリードを守り切ることができなかった。アルベルト監督は「信じられない気持ちでいっぱい。しっかり目を覚まし、次に向かって立ち上がりたい」と悔しがった。

リーグ戦再開初戦を後味の悪い形でスタートさせた新潟は4位に転落。1位京都との勝ち点差は3から5に広がった。次節アウェー千葉戦に向け谷口は「負けなかったことをポジティブに捉えて、勝利に向けてやっていきたい」と気持ちを切り替えた。【小林忠】