名古屋グランパスは先制しながら清水エスパルスに追いつかれて4連勝を逃した。0-0の後半12分、名古屋はゴール前の混戦からFW前田が先制ゴールを決めた。

しかし清水も同29分、FWチアゴ・サンタナが同点ゴールを決めて、そのまま試合を終えた。

上位争いを展開する中で痛い引き分けとなった名古屋の唯一の光が、元日本代表FW金崎夢生(32)の復帰だった。昨年11月に右膝に重傷を負って長期離脱中だったが、後半30分から出場した。ゴールこそ生まれなかったが、ポストプレーをはじめ、持ち味を存分に発揮した。

試合後の会見で金崎は「(出場時に)拍手ありました? あまり何か具体的な気持ちはなかった。練習と同じ気持ち」とらしい“復帰”コメント。約9カ月ぶりは、自身のキャリアでもなかった。「これだけ長い期間は自分でも初めて。やれることを確認しながらプレーしました」と振り返った。

復帰しても、ポジションが確約されているわけではない。この試合ではベンチ外だった現役ポーランド代表FWヤクブ・シュビルツォク(28)が、加入してすぐに存在感を示している。金崎にとっては、争うべきライバルだ。「自分のコンディションも上がっていくし、チームも僕自身もよくなると思っている」。名古屋にとって、上位を争うキーマンの1人が金崎なのは間違いない。【実藤健一】