湘南ベルマーレの新指揮官に就任した山口智監督(43)が2日、オンラインで取材に応じ、残留への覚悟と勝てるチーム作りを掲げた。浮嶋敏監督の後任として、クラブからは残留のミッションに加え「湘南の良さを広げて思いださせて、違うカラーを入れて築いて欲しい」とオファーを受けた。オファーの翌日には引き受けることをクラブに伝えたという。

山口監督は、ガンバ大阪のコーチを経て、今季から湘南のコーチに就任。引き受けた理由に「このチームに拾ってもらったところが大きい。何ができるか、やらなければいけないか。前向きな選手、スタッフたちとならよりよくできるのではないかと。コーチでも責任を感じているが、自分自身もそこの一員としてリーダーとしてもっといいところが築きあげられると決断に至った」と明かした。

練習では攻守の切り替え、球際など、湘南スタイルの本質に立ち返っている。「ベースを思い出そうと。できることをやっていこうと。その整理をした。プレーでもサッカーの本質を伝えた」とし「この世界は結果で評価される。残留争いを抜け出すには、勝っていかないと難しくなる。勝つ意識、勝つ方法を選べるチームにしたい」と語った。

Jクラブの監督は初体験。理想の監督像に、G大阪時代に指導を受けた西野朗氏を挙げる。「監督がぶれると選手が迷う。自分の中ではぶれない、芯、覚悟を持った監督が良かった。西野さんはすごくドンとしている感じがあった。何事に対してもぶれないことを勉強させてもらいましたし、その中で、選手たちが考えて、というところもあった。そういうクラブ、選手になってほしい」。

練習では「止める・蹴る」の技術のこだわり、立ち位置、守備の守り方、ゴールにつながる戦い方を浸透させていきたいと語る。湘南カラーに山口色を加え、チームを残留に導く覚悟だ。