横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督(48)が21日、オンライン取材に応じ、自らに向けられている“指笛疑惑”について語った。

問題視されているのは、18日の名古屋グランパス戦(豊田ス)でカウンターを浴びた、前半26分の場面。名古屋FWシュヴィルツォクがロングボールに抜け出した場面で、「ピーッ」と笛のような音が鳴ったため、オフサイドの判定が出たととらえた両チームの選手たちは、一瞬足を止めた。シュヴィルツォクがすぐにプレーを再開して突破を試みたが、横浜DFに阻まれて、名古屋のカウンターは不発に終わっていた。

その瞬間の副審や主審の動きは中継映像には映っていないが、オフサイドを示す動作や笛を鳴らした様子は見受けられない。音の発生源は定かではない。名古屋ベンチのスタッフ陣が横浜ベンチを指さして主審に抗議する姿が映っていたことから、横浜ベンチから笛のような音が鳴ったのではないか? との疑惑が持ち上がっていた。

マスカット監督自身も、自身に疑惑がかかっていることは承知しており、この件について質問を受けると「メディアなどからいろんな声が聞こえてくるが、決して真実ではない」と否定した。

難しい判断を迫られる審判の仕事をリスペクトしているとした上で、「明らかに自分だとか、ベンチメンバーがそのような行為をしたならば言うが、それはない。彼らも審判団も(音の出どころが)見えていない。誰がやったか分からない。臆測で何かを言うことはない」と話した。

8月28日の鹿島戦(日産ス)、9月11日の広島戦(Eスタ)でも、相手のチャンスの場面で笛のような音が鳴っていることが、中継映像から確認できる。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が採用されているJ1では「オフサイドディレイ」の原則があるため、審判団はオフサイドかどうか疑わしい場面でプレーを止めずに、プレーが途切れた後にVARの協力を得て、事後にオフサイドの判断することが多い。

笛のような音がどこから発せられたのか、現時点で断定はできない。ただ、重大な得点機会の損失につながりかねないため、検証の必要があるのではないだろうか。