アビスパ福岡がJ1初の1桁フィニッシュを視界にとらえてきた。

25日サガン鳥栖との九州ダービー。前半41分、FWフアンマ・デルガド(30)がDF志知孝明(27)がヘディングではね返したボールを前線で収め、鳥栖DFファンに競り勝ってGKとの1対1からゴール左に決め先制。後半23分にはFW山岸祐也(28)も今季5点目を奪うなど勢いがあった。ロスタイムにも追加点を奪い、連敗した16年を含め4度目のJ1リーグ戦で初めて鳥栖に勝利。日本代表DF長友が加入した東京を抜いて、8位に順位を上げた。

就任2年目の長谷部茂利監督(50)は「球際や予測で自分の持てるものを最大出力で出してくれた」と、選手をたたえる。「勝ち点が取れるのがいい監督」という指導者理念の下、今季J1最多8人の外国人らの大型補強により、堅守からのカウンターの強度、精度を高めてきた。

終盤戦に入り、無敵だった川崎Fを撃破したほか、鹿島をアウェーで破るなど、直近5戦は4勝1分けと負けなし。すでに残留は濃厚で勝ち点50、10位以内という今季の目標はクリアされそうだ。

過去5回のJ1では、00年の12位が最高順位だった。だが、浸透してきた「長谷部イズム」で01年に15位で降格してから、06年16位、11年17位、16年18位と1年でJ2降格していたのがうそのような快進撃を見せている。【菊川光一】