第100回全国高校サッカー選手権が28日に開幕する。2年ぶりの全国制覇を目指す静岡学園は、29日の1回戦で徳島商と対戦(千葉・フクアリ、午後2時10分)。日刊スポーツ静岡版では「静岡学園 2年ぶり頂点へ」と題して、チームの顔触れを連載する。

      ◇     ◇

MF荒井駿希(しゅんき、3年)は、複数のポジションをこなせる万能型の選手だ。センターバックやサイドバック、ボランチでも出場し、現在はトップ下のレギュラーに定着している。プレーに派手さはないものの、ミスがない堅実さが特徴の1つ。「身体能力も高くないし、みんなみたいなドリブルもできない。自分の仕事は、ボールを取られずに攻撃をうまく回すことだと思う」。自身の役割を分かっている。

高校2年時には手首を骨折。昨年10月までは同校で一番下のカテゴリーにあたるEチームでプレーしていた。Aチーム入りするために意識したことは「止めて、蹴るの技術を上げること」。居残り練習では中距離のキックとトラップを反復。地道なトレーニングを積みながら、チャンスをうかがっていた。

登録メンバーの中では数少ない左利きの選手。正確なキックも特徴の1つだ。試合では中央でボールを受け、両サイドにパスを散らしながらテンポを生み出す。チャンスメーカーとして期待されている。「チームが1つでも多くゴールを取れるように、自分ができるプレーを全うしたい」と力を込めた。【神谷亮磨】

◆荒井駿希(あらい・しゅんき)2003年(平15)11月22日、埼玉県生まれ。小1から菖蒲ジュニア(埼玉県久喜市)でサッカーを始め、中学時代はアスミFC(同上尾市)でプレー。家族は両親、兄。175センチ、67キロ。血液型AB。