史上初の3連覇を狙う藤枝順心(静岡、東海1位)が、順当にベスト8へ進出した。1回戦で常葉大橘をPK戦で下した暁星国際(千葉、関東4位)に2-0で完封勝ち。前々回大会決勝から続く、全国選手権での連続完封を8試合に伸ばした。途中出場のFW三宅怜(2年)が全得点を挙げた。

序盤から何度もつくった決定機を生かせずにいたが、もどかしい状況を三宅が一変させた。後半25分、右クロスを頭で合わせて先制点。「『体のどこかに当たれ』と突っ込んだ」と、高校での公式戦初ゴールを振り返った。9分後にはダメ押しの2点目も決めた。

今大会、チームの全得点に絡むラッキーガールだ。途中出場した1回戦の筑陽学園(九州3位、福岡)戦(1○0)では、三宅の放ったシュートが右ポストを直撃。こぼれ球をFW山田歩美(2年)が押し込み、決勝点のきっかけとなった。昨秋にセンターバックからFWに転向。前線で体を張る献身性を評価され、大会開幕1カ月前にメンバー入りを勝ち取った。「泥くさくていい。自分が活躍して、地元の人たちに喜んでもらえたらうれしい」と意気込んだ。

6日の準々決勝は追手門学院(大阪、関西2位)と対する。頂点まで残り3勝。女王は着実に歩みを進める。【古地真隆】

◆三宅怜(みやけ・れい)2004年(平16)10月7日、島田市生まれ。小学校では藤枝順心ジュニア、藤枝順心中では同ジュニアユースに所属した。160センチ。昨年の全日本選手権ではメンバー入りも、出場機会はなかった。