鹿島が2年半ぶりに復帰したFW鈴木優磨(25)の得点などでG大阪に快勝し、6年ぶりに開幕白星を飾った。

1-1で迎えた前半30分。敵陣深くでハイプレスからボールを奪い、こぼれたボールを鈴木が1タッチでゴールに流し込み勝ち越し。FW上田も2得点と看板2トップが一発回答の結果を残した。

鈴木にとってはリーグ優勝した16年の“デジャブ”だった。同じ吹田スタジアム(現名称パナスタ)でのG大阪との開幕戦。当時19歳の鈴木が「吹田スタジアムJリーグ1号」を決め、開幕勝利を飾った。「当時は、出た試合で結果を残そうと自分中心で、何とか生き残るために必死だった」。だが、今はベルギー・シントトロイデンで17得点を挙げた自信を携え「もう1度鹿島でタイトルを」と強いクラブ愛を抱きピッチに立つ。「今は、得点も仕事ですけど、プラスでチームを勝たせたい。6年前とは違った意味のゴールでした」としみじみ語った。

小笠原満男が背負った背番号「40」を付け、G大阪のエースFWパトリックへの激しい寄せなど常勝鹿島の根幹である強い球際を体現。背中でチームを引っぱり、味方を生かすプレーの引き出しも増えた。心身ともに大きくなった鈴木の復帰弾は、タイトル奪還への号砲となりそうだ。【岩田千代巳】