J1清水エスパルスDF立田悠悟(23)が、節目となる特別な一戦での完封勝利を誓った。3季ぶりのジュビロ磐田とのJ1「静岡ダービー」が26日、袋井市のエコパスタジアム(午後1時30分)で行われる。25日は静岡市内で非公開練習に参加した。次戦でJ1通算100試合出場となる立田は「自分の仕事はゼロに抑えること。いい形で(100試合の)記録を祝えればいい」と、表情を引き締めた。

負けられない気持ちは人一倍強い。中学から清水の下部組織で育ち、磐田をライバル視してきた。「何回やってもダービーは特別」。さらに今年は、燃える理由が加わった。昨季途中にMF金子翔太(26)が清水から磐田に移籍。元チームメートとの対戦もモチベーションの1つだ。「リスペクトした上でちゃんとつぶしたい」と望んだ。

高ぶる気持ちと冷静さを持ち合わせて、ピッチに立つつもりだ。気持ちを前面に出して戦うのは大前提だが、「熱くなりすぎないようにコントロールしたい」と強調。相手の特徴も分析済みで「(FW)杉本(健勇)選手に起点をつくらせないようにしたい」とイメージをふくらませた。伝統の一戦で意識するのは、内容よりも結果。勝つためだけに体を張る。【神谷亮磨】

◆立田悠悟(たつた・ゆうご)1998年(平10)6月21日、静岡市生まれ。同市清水区の入江SSSでサッカーを始め、中学から清水エスパルスの下部組織でプレー。17年にユースからトップ昇格。U-17から年代別日本代表に選ばれ、19年にA代表にも初招集。J1通算99試合出場3得点。191センチ、83キロ。血液型O。

<清水平岡監督「平常心」>

清水OBの平岡宏章監督(52)は、冷静な采配で今季初勝利を目指す。この日、練習場には大小合わせて約30個の横断幕が掲げられた。サポーターの思いもくみながら選手を指導。「雰囲気もよく、いい練習ができた」と自信を見せた。現役時代や清水ユース監督時には、磐田と何度も対戦している。特別な相手に対し「熱いものを持っている」としながらも「平常心で臨みたい」と続けた。

<磐田伊藤監督「熱いゲームに」>

磐田はこの日、非公開練習を行い、大一番に備えた。今季から指揮を執る伊藤彰監督(49)も「ダービー」の重みは理解している。現役時代は大宮でプレーし、引退後は下部組織で育成に携わった。選手、指導者として浦和との「埼玉ダービー」を経験。当時の思いを振り返りながら「静岡ダービーも熱いゲームになる」と力を込めた。ホーム・エコパの観客上限は2万人。前売りチケットは完売し、最高の舞台で就任後初勝利を目指す。