「ユアスタ3連敗」を阻止した。ベガルタ仙台がレノファ山口FCを2-1で下し、3月12日以来、3試合ぶりのホーム1勝をつかんだ。前半16分、MF気田亮真(24)の右足で先制。1点リードで迎えた後半6分、FW富樫敬真(28)の2試合連続ゴールで追加点を奪った。前半26分に退場者を出し、10人での戦いを強いられたが、接戦をものにした。長丁場のシーズン。勝ち点「3」を積み重ね「J1復帰ロード」を突き進む。

春の陽気に包まれたピッチに試合終了のホイッスルが鳴り響いた。スコアは2-1。約1カ月ぶりのホーム白星をつかんだ。この瞬間を待ちわびていたサポーターのボルテージは最高潮に。原崎政人監督(47)は両手でガッツポーズをつくり、首脳陣らとハイタッチして喜びを表現した。「(攻守とも)狙い通りにやってくれた。選手はよく戦ってくれたと思います」とたたえた。

気田の金髪が光り輝いた。0-0の前半16分。右サイドからのクロスに右足でダイレクトに合わせた。ボールはゴールへ一直線。先制弾となり、チームカラーの「ベガルタゴールド」をほうふつさせる金髪をなびかせ、アシストのFW皆川佑介(30)のもとにジャンプで飛び込み、クールな男が感情を爆発させた。「何も考えず流れの中で打てた」。昨季までは黒髪だったが、プロ3年目の今季は「気分ですけど、黒髪以外」とヘアカラーで心機一転。ここまで5試合に出場し、2ゴール1アシストと好スタートを切っている。

逆境をはねのけた。前半26分にDF金太■(21)がイエローカード2枚で退場。10人と数的不利になったが、ひるむことはなかった。前半終了間際に自陣ゴール内へと飛び込んできたシュートをDF平岡康裕(35)が頭でクリア。懸命に体を張った。後半6分には富樫が左足で追加点。90分間、ひたむきに走り続け、最後までチーム一丸で戦い抜いた。平岡は「全員が体を張って勝てたことがチームとして良かった」と振り返った。

結束力ではい上がっていく。ケガやコロナ感染で戦線を離脱している選手も少なくない。決して万全な状態ではないが1戦1戦、最善を尽くしている。現在5勝2敗2分けで勝ち点「17」。次は17日、首位を走る横浜FCとの一戦だ。平岡は「序盤戦のヤマ場」と気持ちを引き締めた。J1復帰へ、勝ち点「3」を落とせない戦いが続く。【佐藤究】

※■は火ヘンに玄