アルビレックス新潟はいわてグルージャ盛岡を2-0で下し、ホーム5連勝を飾った。前半44分、右MF松田詠太郎(20)がMF伊藤涼太郎(24)からのパスに抜け出し、移籍後初ゴールとなる先制点をゲット。1-0の後半43分には途中出場のMF三戸舜介(19)にも今季初ゴールが飛び出した。1トップには3月末に加入したFWゲデス(28)が初先発。185センチの長身を生かしたポストプレーと背後への動きを繰り返し、チャンスを作った。4月5戦で4勝1分けと無敗で3位に浮上。中2日で迎える次節30日はアウェーで琉球と対戦する。

“スピードスター”が得意の抜け出しから先制点を決めた。松田は前半44分、ピッチ中央でボールをキープした伊藤が顔を上げた瞬間、相手最終ラインの背後にロングラン。スルーパスに反応すると、2タッチ目でのシュートをゴール左ネットに流し込んだ。今季J1横浜から期限付き移籍で加入し、9試合目の出場で挙げた今季初得点。普段は控えめな男が「よしゃー!」と叫び、両手を広げてチームメートを呼び込んだ。

松田の先制をアシストした伊藤は2試合ぶり先発復帰。中盤を自由に動き回り、得意のターンから攻撃を操った。3日アウェー熊本戦、17日アウェー岡山戦は先発出場もともに前半のみで交代。「何かが足りないから途中で下げられる。ゴールに向かう意識を高めないと」と話していた。その言葉通り、インパクトのあるドリブル、ロングシュートを繰り返し、後半41分に交代するまで相手ゴールを襲い続けた。

3月25日にチームに合流した新戦力、ゲデスは1トップで加入後初先発。先制点の場面では相手センターバックをつりだし、松田が飛び込むスペースを空けた。20年にJ1仙台でのプレー経験もあるポルトガル人は10日のホーム栃木戦(2-0)の試合終盤に新潟デビューを果たしたが、それ以降は出番なかった。前節23日のホーム長崎戦はポルトガルから夫人と2人の息子が応援に駆け付けたがベンチ外で、家族でスタンド観戦だった。その翌日に家族は帰国したため、この日の活躍を見せることは出来なかったが「テレビで試合は見てくれる。家族のために次はゴールを取りたい」と気持ちを切り替えた。

守備を固める相手に苦しめられながらも、したたかに勝ち点3を積み上げた新潟。次節は中2日。敵地・琉球に乗り込む。【小林忠】