FC東京から名古屋グランパスに復帰した元日本代表FW永井謙佑(33)が、決断した理由を明かした。完全移籍が発表された11日、練習に合流しリモート会見した。

今季、東京ではJ1リーグ戦20試合に出場し無得点。うち12試合に先発とコンスタントに出番は得ていたが、プロとしての第1歩を刻んだ名古屋への6シーズンぶりの復帰は、家族の後押しがあったという。

「両親、妻とも相談をしました。『最後はFWで勝負した方がいい』という意見が家族と一致した。走っていない僕は良さが出ない。父からは『いいきっかけになる』とも言われた」

昨年7月11日湘南戦を最後に得点から遠ざかる。

「長男が小学3年生になるんですけど、『ゴールを取っているパパが見たいなあ』と、そう言われました」

あくまでもサイドではなく、中央のFWで勝負したい考えを示した。

「長い上下動はそんなに得意ではない。10メートル、20メートルなら何てことはないので、真ん中でショートダッシュの繰り返しの方が良さが出やすい。名古屋は2トップなので、より自分のいいところが出しやすいと思った」

福岡大から11年に名古屋入り。ベルギー1部のスタンダール・リエージュ移籍をはさみ、16年末まで在籍した。16年にJ2降格が決まり、契約交渉も難航して東京へ移った経緯もあり「このタイミングで戻って、皆さんに合わせる顔があるのか悩みました」と正直な胸の内も明かしている。

長く名古屋の守護神として活躍し、18年限りで引退した元日本代表GKの楢崎正剛氏(46)にも相談したことを明かし「いろいろあったけど、気にしなくていい」との言葉をもらったという。

東京時代に指導を受けた長谷川健太監督が名古屋を率いており「僕のことを分かってくれているし、僕も他の選手よりも(長谷川監督のスタイルを)理解している」。再び名古屋で活躍するイメージを思い描いた。