ヴィッセル神戸は途中出場のFW大迫勇也(32)の3戦連続弾で先制したが、10人の鹿島アントラーズに終盤に追いつかれ、1-1で引き分けた。

東アジアE-1選手権で日本代表に招集されたFW武藤嘉紀(30)が前半39分に鹿島MF中村と接触し、右足首を負傷。交代を余儀なくされた。

代わりに投入されたのが大迫。神戸の吉田監督は「(大迫が)100でできる状態が半分(45分)」と考えていたが、予定より早くピッチに入った。

51分間プレーした大迫は気持ちもパフォーマンスも好調時そのものだった。鹿島DFキム・ミンテは大迫をファウルでしか止める術がなく、2枚のイエローカードで退場になった。

後半9分、大迫はFW小田の右からのクロスを頭で合わせネットを揺らした。クロスが上がったタイミングで、ペナルティーエリア内には神戸の選手は大迫しかいなかったが、1人でクロスを決めきった。古巣からの得点に、胸のエンブレムをつかんでほえ、喜びの感情を表に出した。

これで、3試合連続での得点。「チーム全体でゴールに向かえているのが一番。今日に限ってはいいセンタリングでいい入りができた」と振り返り、感情を出したことに「鹿島に対してのリスペクトです。お世話になったチームですしリスペクトもある。得点できてうれしかった」と話した。

チームは数的優位だったにもかかわらず、終盤に追いつかれ勝ち点1にとどまった。大迫は「相手10人で勝たなければいけない試合だった。2点目をしっかり取れれば、もっと楽な試合になったと感じています」と反省を口にした。

ガンバ大阪が敗れたため、神戸は15位に浮上し降格圏を脱出した。これから、リーグは中断期間に入る。大迫は「全然、練習もフルではできていなかったので、この2週間でいいコンディションに持っていきたい」と巻き返しを誓った。