G大阪がFWパトリック(34)の劇的弾でアウェー福岡戦を1-0と制し、16位から残留圏の13位へ浮上した。スコアレスドロー目前の後半49分、ブラジル人FWの2試合連続ゴールでけりをつけた。今季2度目の2連勝とし、松田新監督就任後は2勝1敗と息を吹き返した。川崎Fは4連勝で暫定首位に立った。この2試合はコロナ禍の影響で延期になっていた。

     ◇     ◇     ◇

あと1分で試合が終わる後半49分、G大阪が劇的な勝利を収めた。「チャンスが来たら点を取る準備ができていた。監督からは(残り試合を)決勝戦のように臨むように要求されている」。速攻からゴール前に走り込んだパトリックが、左足で決勝点を刻んだ。

これでJ1通算84得点とした実績あるブラジル人FWも、3試合前まで指揮を執った片野坂前監督時代は出場時間を減らし、今季わずか1得点だった。だが松田新監督となって3試合連続で先発、2試合連続ゴールで今季3点目だ。

「とてもうれしい。仲間に感謝したい」とパトリック。松田監督は、後半28分にレアンドロを投入する際、誰と交代させるか悩んだという。「パトは不死身みたいなところがあって。計り知れない体力の持ち主」と、そのままプレーさせた采配が当たった。

FWレアンドロ・ペレイラも新体制で既に1得点しており、この日、決勝クロスを記録したMFウェリントンシウバを含め、信頼を失っていたブラジル人トリオが意地を見せている。

9月2日に62歳になる松田監督にとっては、最高の贈り物。「選手の頑張りに感謝したい。すごいことをやってくれた」。大ベテラン監督に率いられたG大阪は、残り7戦を戦い抜く。