今大会参加65校でただ1人の女性監督、西潟明日香監督(24)が率いる新発田南が大勝で発進した。3年生が引退し、新チームで臨んだ初戦1回戦。村上中教校を相手に前半だけで10得点の猛攻を見せた。「選手たちがピッチで意見し合い、たくさんチャレンジしてくれた。よくやった」と監督デビュー戦を振り返った。

西潟監督は昨秋に保健体育の常勤講師として新発田南に赴任し、サッカー部コーチに就任。今春の県総体後、他界した前任の国兼文賢さんからバトンを受け継いだ。初の監督業に戸惑うことも多いが部員45人を懸命に束ねる。練習場は野球部、ラグビー部と併用のため、使用できるスペースは限られるが、現在はパスワークに磨きをかけている。「パスを回すことに満足せず前進できた。広いピッチでのびのびとプレーしてくれた」。

新潟市出身。サッカーは5歳で始め、アルビレックス新潟レディースU-18では右DF、大体大ではボランチでプレーした。目指すスタイルは選手が個性を引き出し合うサッカー。MF天木輝生がゲームをコントロールし、スピードがあるMF森川瑞季が右から積極的に仕かける。左利きセンターバック花野比呂のフィードも魅力だ。「私好みではなく選手の意見を大切にしたい。あとは決定力アップですね」と笑う。

11日の2回戦は三条と対戦する。指導者として1歩を踏み出した若き指揮官は「勝つことが自信につながる。相手に合わせず、自分たちのサッカーでぶつかっていきたい」と力を込めた。【小林忠】