J2アルビレックス新潟が2-0で水戸ホーリーホックを下し、連勝を3に伸ばした。勝ち点を74とし、首位をがっちりとキープ。前半37分、MF星雄次(30)の今季初ゴールで先制すると、後半7分にはFW谷口海斗(27)の17試合ぶりの今季8得点目となる2点目を奪って押し切った。3戦連続での複数得点勝利と勢いは加速。2位横浜FCと勝ち点3差、3位岡山とは同8差のリードを守った。次節25日、ホームで大宮と対戦する。

星が喜んだ。ピッチに押し倒されるとその上にチームメートが重なってくる。重みを感じながら笑顔をみせた。「遅くなったけど1点取れてよかった」。前半37分、欲しかった今季初ゴールがようやく生まれた。

ペナルティーエリア内でMF伊藤涼太郎(24)と谷口がマイナスでつないだボールを豪快に右足でシュート。「海斗が打ちたかったと思うけど、自分に落としてくれた」。この日は5試合ぶりの先発。J1昇格争いの中で巡ってきたチャンスで、しっかり結果を出した。

隙を見せられない展開だった。前半から新潟は猛攻を仕掛けた。だが、7分の谷口のヘディングはクロスバーを直撃。19分の伊藤のシュートは水戸のGK山口の好セーブに阻まれるなど、圧倒しながらも決められなかった。30分にはMF高木善朗(29)が負傷し、FW小見洋太(20)と交代。攻撃の要をアクシデントで欠いていた。

その中でこじ開けるような星の1本が試合の流れを引き寄せた。1-0で折り返すと、その勢いを後半も継続した。7分、左サイドからのDF堀米悠斗(28)のFKを谷口が頭で合わせて追加点をゲット。6月4日のアウェー徳島戦以来、17試合ぶりのゴールが勝利を決定づけた。

前節甲府戦からスタメン8人を入れ替えて臨んだ。3戦連続で複数得点をマークし、今季3度目の3連勝。総合力の高さを改めて証明した。それでも松橋力蔵監督(54)は「攻撃は慌てすぎているし、スピードを上げすぎている」と引き締める。残り5試合。J1昇格がカウントダウンに入った中、新潟のギアがさらに1段上がった。

◆新潟・松橋監督「課題はあるが攻守ともに集中した中で試合を運んだ。最後の質の部分は尽きない課題。(追加点の)セットプレーは練っていた形」

◆水戸・秋葉監督「新潟にレベルの高さを見せつけられた。J1に行くべきチーム。隙がなく、誰が出てもチーム力が変わらない。今年で一番衝撃を受けた試合となった」