J1清水エスパルスは27日、静岡市の本拠地・IAIスタジアム日本平で台風15号による大雨の影響で断水被害を受けた清水区民を対象に飲用水を配布した。9・5リットル入りのボトル約2500本を用意し、1世帯につき1本提供。午後4時から行われた配布には練習を終えたばかりの選手やスタッフも参加して配った。

配布の約1時間前から待機していたという清水区在住の鈴木森尊(もりそん)くん(10)は「エスパルスの選手にもらえる水をたくさん飲みたい」と話した。この日は県内でしのぎを削るライバルのジュビロ磐田も支援に加わった。クラブを通じて、500ミリリットル入りペットボトル7200本分提供。クラブスタッフらがスタジアムに届けた。

清水と磐田の両チームは来月1日にリーグ戦での対戦が控えている。伝統の「静岡ダービー」を前にクラブの垣根を越えて支援を行った。リーグ戦の開催可否ついては現在協議中。断水が続いている影響で、IAIスタジアム内の手洗い場などが使えない状況だ。明日以降に開催の可否が正式決定する見込み。

清水区出身のDF立田悠悟(24)は「僕の家族や友人の中にも水が足りないという声をたくさん聞く。少しでも力になれたらうれしい。僕らはサッカーを通じて何かを伝えられる職業だと思う。試合に向かう姿勢や結果で市民の方々を勇気づけたい」と力を込めた。【神谷亮磨】