札幌創成が札幌大谷に2-1で逆転勝ちし、4年ぶりの準々決勝進出を決めた。1-1の後半ロスタイム3分、FKからDF高原尊琉(3年)がヘディングで合わせて勝ち越した。昨年の今大会、北海との2回戦でPK戦のキッカーを務めるも失敗。大会直前までケガで離脱していたが、1年後に帰って来た舞台で躍動した。

札幌創成が土壇場に劇的勝利をもぎ取った。後半10分に札幌大谷に先制を許しが、残り5分の同35分にPKで同点に追いつくと、ロスタイム3分。FKから飛び込んだDF高原のヘディングシュートはゴール右に決まり、決勝の2点目を奪った。試合終了の笛に雄たけびを上げ、仲間とたたえ合った。「走り込んだところにボールが来た。自分の気持ちを込めて打ったら入った」と、勝利の余韻に浸った。

1年前の悔しさをぶつけている。昨年は優勝した北海と2回戦で対戦。1-1でPK戦に突入し、6人目のキッカーを務めたが失敗し、4-5で敗れた。「自分が外して負けた。先輩に迷惑をかけた。ここに全部かけてきた」。1年後、同じ2回戦で勝利を決めるゴールを決めた。

5月に右太もも前肉離れを起こして離脱。8月にも再発し、リハビリ生活を送った。今大会直前に合流を間に合わせたが、1回戦稚内大谷戦はベンチ入りも出場なし。高原にとって先発復帰したこの日が、今大会初戦だった。「ここに焦点を合わせてきた」と気合十分で臨んだ。まだ万全ではないため鏑木正彦監督(42)も交代のタイミングを探っていたが、結果的にフル出場となり決定的場面の主役となった。

チームにとっては4強入りした18年以来の準々決勝進出。1年時から主力の右サイドバックは「優勝しか見ていない」と、目標はあくまであと3勝だ。【保坂果那】

◆8強入りした札幌創成DFラングフォード海渡主将(3年) めちゃめちゃうれしいけど、通過点。みんな明日(準々決勝の駒大苫小牧戦)に切り替わっている。仲間を信じて戦ったからこういう結果になった。

◆今季就任し、初の選手権采配だった札幌大谷・清水隆行監督(47) 硬さがあった。自信を持って試合に臨んだが、相手も一緒。結果が出なかった。(初出場する12月のプレミアリーグ参入戦へ)2カ月弱あるので準備したい。