ジュビロ磐田の来季J2降格が決まった。勝利だけが求められたアウェー・ガンバ大阪戦は0-2で完敗。17位以下が確定し、クラブ史上3度目の陥落となった。クラブ再建へ長期的なビジョンを打ち出しながら、シーズン途中に監督交代。フロントへの不信感を募らせた選手らは一体感を欠き、わずか1年でJ2に逆戻りとなった。

ホーム最終戦の清水エスパルスは0-1で鹿島アントラーズに敗戦。17位に転落し、次節北海道コンサドーレ札幌戦で引き分け以下ならJ2降格が決まる。史上初めてJ1から県勢クラブが消滅する可能性が出てきた。

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前節16位だった清水が、再び来季のJ2自動降格圏に転落した。前半は序盤からボールを支配。何度も敵陣に攻め込んだ。CKも3度獲得。しかし、決定機に得点できないまま、折り返した。後半11分、相手の右CKからこぼれ球をつながれて、先制点を許した。同点に追いつけないまま、終了の笛。9月以降の6試合で1勝もできず、2016年以来の2度目の降格が現実味を増してきた。

MF白崎凌兵(29)は「難しい相手をこじ開けるだけのクオリティーの高さが、自分たちになかった」と肩を落とした。試合後の今季ホーム最終戦セレモニーで、GK権田修一主将(33)は「サポーターに悔しい思いしかさせられなかった」と話し、観客席に向けて頭を下げた。

来月5日の今季最終戦で札幌に勝っても、16位以上に上がるのは他会場の結果次第。厳しい状況に追い込まれた。権田は「難しいミッションかもしれない。勝ちきるために僕らに力をください」とファンに訴えた。ゼ・リカルド監督(51)は「選手らに一瞬の判断や正確性を欠いたプレーが出て、乱れた」と分析。勝つしかないアウェー札幌戦に向けて、「高いレベルでのハードワークをしたい」と前を向いた。【倉橋徹也】

◆J1残留争いの行方 最終節を残して最下位磐田の1年でのJ2降格が決定し、自動降格の残る1枠は15位G大阪、16位京都、17位清水の3チームの争いとなった。勝ち点33の清水は最終節の札幌戦で引き分け以下ならJ2降格となり、来季、史上初めてJ1から静岡県のチームが消えることになる。なお、13位湘南と14位福岡はJ1参入プレーオフに回る16位になる可能性が残っている。