神奈川を代表する強豪対決は、日大藤沢に軍配が上がった。桐光学園に4-0と圧勝した。
存在感を見せつけたのが、来季の清水エスパルス入団が決まっているFW森重陽介(3年)だった。
198センチの圧倒的な高さを誇り、1トップで先発。前半19分に左CKから頭で競ったボールが右サイドへ流れ、MF野澤勇飛(3年)の先制点につながった。 さらに3分後、右サイドで巧みな切り返しから、左足で中央へラストパス。MF安場壮志朗(2年)の特典を演出した。
後半10分には左サイドからのクロスボールを受けてシュートに持ち込もうしたが、相手カットでこぼれ球に。ボールを拾ったMF岡西亜憐(3年)がすぐさま左足を振り抜き、左隅へ豪快なシュートが決まった。
そして後半24分に岡西が倒されて得たPKを豪快に決めて得点した。全4ゴールに絡み、1得点2アシストという大活躍だった。
森重の見せ場は得点だけではない。1トップとセンターバック(CB)の「二刀流」としてプレーしている。この日も1トップで先発し、後半14分にFW有竹翔吾(3年)が投入されるとCBに下がった。相手のロングボールをはね返し、後方からの正確なロングフィードで好機を演出。チームの無失点勝利にも貢献した。
この森重は、1トップでの先発から後半途中にCBに下がってプレーするのが今大会の定番となっている。ベンチに他にも得点力ある選手がいるからこその選択肢。佐藤輝勝監督は「どちらもできるし、彼を信じているからこその起用。根っからのサッカー小僧で、どちらも楽しんでプレーしている」と評し、「練習からどちらもやっているし、調子いい方でプレーさせている」と明かした。この起用法も森重の強みを最大限に生かしてのもの。異色の二刀流選手の注目度は高まるばかりだ。
攻守にわたって活躍した森重は「(2点目の)アシストは冷静に中を見てパスを出せたし、PKは自信を持って蹴ることができた」と満足そうに振り返った。「自分がゴールを決めて、自分で守るのが理想」という。まるでメジャーリーガーの大谷翔平を想起させるような規格外のスタイル。自ら得点を奪い、自らゴール前で壁となり、相手の攻撃を封じていく。この存在感は計り知れないものだ。
もちろん日大藤沢は森重だけに終わらず、世代別代表にも名を連ねるDFアッパ勇輝(3年)や、ピッチ上で強烈なリーダーシップを発揮するGK岡本亜鶴(3年)ら個性的な選手がそろっている。ボールさばきにたけた技巧派集団で、ベンチに座る選手もレギュラーと遜色ないのが最大の武器だろう。
3年ぶりの全国選手権に王手をかけた。決勝(ニッパツ三ツ沢球技場、午後1時5分キックオフ)では湘南工大付と対戦する。夏のインターハイ予選決勝では、退場者を出したことも響いて敗れている。その雪辱も踏まえ、ライバル桐光学園から4得点した勢いのまま全国切符をつかみにかかる。



