J内定者13人を擁する桐蔭横浜大が、川崎フロンターレ内定のエースFW山田新(4年)の劇的ゴールで新潟医療福祉大に競り勝ち、初優勝に輝いた。

2度リードされる苦しい展開だった。後半31分にようやく2-2の同点に追い付くと、後半アディショナルタイムにカウンターから山田が美しいミドル弾を決め、日本一をつかんだ。

安武亨監督は「勝負強さが課題だった。この場所で日本一強いチームを完成させようと。大会を通して初戦は逆転勝利、準決勝では延長戦で勝った。今日もロスタイムで山田が点を取ってくれた。日本一の勝負強さを持った日本一のチームになってくれた」とたたえた。

夏の全国大会は初戦敗退。関東大学リーグも、いい内容でも結果が伴わなかった。各選手の技術は高く、ボールは保持できる。だが、うまくボールを動かすだけではゴールは奪えない。各選手がエースの山田をまず見ることから意識を変えた。山田を中心に縦に速い攻撃の引き出しが増えたことが奏功。安武監督は「リーグ戦の後期の最後は、山田を早く使うことで成功体験が積み上がった。個々が感じて実践してくれた。自立した素晴らしい選手たちだった」。日本一の結果も、J内定者13人もサッカー部にとっては初めてのこと。桐蔭横浜大としての新しい景色に、安武監督は「この世代は黄金世代。部の歴史上、最も素晴らしい代になった」と目を細めた。