第101回全国高校サッカー選手権は9日、午後2時5分から東京・国立競技場で決勝戦が行われる。今大会のダークホース岡山学芸館は、東山(京都)とのマッチアップ。岡山県勢初優勝を狙う最終決戦を前に、特殊な形をした校章の秘密に迫った。

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岡山学芸館の校章は、大、中、小3つの輪が重なって形づくられている。意味は「無限の可能性」「飛躍」。深堀りすれば、今大会のサッカー部にピタりと当てはまる。同校の橋ケ谷多功教頭(37)は「生徒、保護者、教職員、地域社会のそれぞれが輪のように結び合い広がっていくことで、無限の可能性を生み出す。夢を形にし、飛躍していく様子を表現しています」と説明した。

岡山学芸館にプロ内定者はいない。中学時代に無名だった選手を、高原良明監督(43)を中心に鍛え上げた。ここで生徒と教職員が結びつく。

地元岡山からは支援金を寄せられた。同校では試合の日にパブリックビューイングも開かれ、住民も晴れの国から声援を送っている。ここで学校側と地域社会が結びつく。

それぞれの輪が一体となり、無限の力を生み出している。その力が飛躍につながった。

選手権の最高成績はベスト8だったが、準々決勝で佐野日大(神奈川)に4-0で快勝。学校史を塗り替えた。準決勝では超高校級FW福田師王を擁する神村学園(鹿児島)にPK戦の末、競り勝った。国立競技場は見たことのない景色だった。ダークホースの活躍は、唯一無二の校章が後押ししたのかもしれない。

前日8日は、神奈川県内で約2時間の調整を行った。高原監督は「リラックスしています。ベストメンバーでいけますね」と自信あり。満を持して、初の栄冠を手にする。【只松憲】

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