J2ジュビロ磐田は鹿児島キャンプ11日目の1日、J3から昇格してきたJ2いわきFCと練習試合(45分×3本)を行い、2-1で辛勝した。1本目にFWジャーメイン良(27)がPKで先制点を奪うと、1-1で迎えた3本目に練習生の磐田U-18FW船橋京汰(17)が決勝点。フィジカルを前面に出して戦う相手に押し込まれる時間帯をしのぎ、競り勝った。

勢いだけではないチームの力を示した。1本目はハイプレスの相手に対し、連動したパスワークで翻弄(ほんろう)。中盤で小気味よくパスを回し、リズムを作った。同34分、ジャーメインが自ら獲得したPKを冷静にゴール左隅に流し込んだ。「監督に要求されている球際の部分で勝ってPKを取れた。形はどうであれ、点が取れたことは大きい」。練習試合では今季2点目。開幕先発に向けて結果でアピールした。

キャンプ中の実戦は3試合目。この日もメンバーは固定せずに戦った。横内昭展監督(55)は「まだ選手の組み合わせを見ている」と説明。チーム戦術の細部は明かさず、球際や切り替えの速さを選手に求めた。1月28日のJ2大分戦は無得点。この日も2得点と攻撃に迫力を欠いているも、「横内色」は徐々に浸透している。

MF鈴木雄斗(29)も「球際とか切り替えの意識は前よりも高くなっている」とうなずいた。キャンプも残り3日。結果も求められる清水との練習試合(4日)を経て、開幕に向けた総仕上げに入る。【神谷亮磨】

○…常葉大から今季いわきに加入した大卒ルーキーのDF速水修平(22、磐田U-18出)が開幕スタメンに向けてアピールした。1本目にセンターバックとして先発出場すると、持ち前の体の強さを発揮した。的確なコーチングでも最終ラインを統率。PKで1失点したが、その後は体を張った守備で追加点を与えなかった。今季の目標は「公式戦で20試合以上に出場すること」。調整も順調なようで「チームがよりよい順位にいけるように、これからもしっかりと準備していきたい」と抱負を語った。