ヴィッセル神戸の元日本代表FW大迫勇也(32)が、今季初めて公開された実戦で2得点と大活躍した。J3松本戦に先発し、後半に技ありゴールを連発。昨年はW杯カタール大会日本代表から落選し、心機一転で挑む23年シーズンになる。2-0で快勝した神戸は、18日の開幕福岡戦(ノエスタ)へ順調な仕上がりを見せた。

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今季の活躍を予言するかのような、大迫の2ゴールだった。後半28分、FW武藤とのパス交換を続けながらゴール前へと進入。最後は大迫が左足を直接合わせ、ゴール左へと正確なシュートをねじ込んだ。

この先制点の7分後、追加点が生まれた。大迫が右足で角度を変えた球をMF汰木(ゆるき)がシュート。GKからのこぼれ球に、大迫が今度は左足を振って追加点とした。

「1点目は(武藤との)ワンツーから落ち着いて決めることができた。2点目はこぼれ球だったが、ゴール前に入っていく大事さを改めて感じた。常にゴール前に顔を出していきたい」

前半途中には、汰木が獲得したPKを大迫がキッカーを務めたが、蹴った瞬間に失敗だと分かる枠外へのシュートミス。「決め切ることができず、もどかしい時間が続いた」というエースは、後半41分まで出場して結果を出した。

故障に泣かされた昨季は26試合7得点。残り6試合から復調し、3ゴールを稼いだ。一時は最下位でJ2降格危機にあった神戸を13位まで押し上げた。

だが、11月1日発表のW杯日本代表から落選。3大会連続出場はならず、日本協会からのバックアップメンバー(補欠)の打診も断った。今も代表入りの目標は変わっていないが、今季は鹿島時代の13年以来となる2桁(19)得点はもちろん、21年に過去最高3位に入った神戸にタイトルをもたらすのがノルマだ。

1月の沖縄キャンプで非公開で実戦を重ねた吉田監督は、5月に33歳になる大迫について「キャンプから非常に体の状態はいい」とうなる。この日、調整遅れのMFイニエスタがベンチ外となったが、開幕には間に合う見込み。DF菊池らの故障離脱は不安材料だが、攻撃の大黒柱は健在だ。【横田和幸】