ヴィッセル神戸の主将MFアンドレス・イニエスタ(38)が9日午後、サプライズで地元の繁華街、三宮センター街に登場した。一般の通行人まで立ち止まるほど熱気に包まれた。

事前の告知はなく、今季のJリーグ開幕をPRするための「2・18開幕 神戸-福岡」の横断幕を手に、数百メートルを練り歩いた。

J1開幕は18日に迫っており、本拠ノエスタにアビスパ福岡を迎え入れる。クラブは約2万5000人の動員を目指している。

取材に応じた主将は「神戸の街やファンのみなさんを、今年は幸せにすることをモチベーションにしないといけない」と奮起を誓った。

昨季は開幕から11試合未勝利で泥沼に陥り、一時は最下位に低迷してJ2降格の危機に立たされた。最終的に13位に浮上できたが、イニエスタも、けがが重なって24試合2得点と、来日5年目で最も消化不良な1年だった。

今季については「チームは謙虚な気持ちでスタートしなければならない。今はタイトルについて話すのはまだ早い。可能な限りいいシーズンにするため、1歩1歩進んでいくことだ」とし、「タイトル獲得」や「優勝争い」といった言葉を封印した。

調整遅れとなっているイニエスタは、自身の開幕戦への出場に関しては「(出場のために)準備はしている。開幕前はちょっとした問題が出てきたりするので、その中で可能な限りいい準備をして、早くチームのためになればと思う」と説明した。

この日は神戸市内の和田神社で必勝祈願を行い、その後に全選手が数班に分かれて、神戸空港や新神戸駅などでPR活動を行った。全選手参加による告知活動はクラブ初の試みだという。