30周年を迎えるJリーグのシーズン到来を告げる一戦は昨季J1王者の横浜F・マリノスが、天皇杯王者のJ2ヴァンフォーレ甲府に2-1で勝利した。6度目の出場で初めてタイトルを手にした。

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甲府の“下克上完結”はならなかった。天皇杯で札幌、鳥栖、福岡、鹿島、広島とJ1勢を連破して頂点に立ったが、“ラスボス”のJ1王者の壁は高かった。今季加入した38歳のFWウタカのスーパー杯最年長弾で一時は同点に追い付いたが、最後は突き放された。

天皇杯決勝のPK戦、5人目のキッカーで初優勝を引き寄せた42歳のDF山本英臣が先発フル出場した。J1最強の攻撃を体感し「個々の能力が高く、一糸乱れぬ動きがあった」と振り返り「自分たちも、マリノスのようなチームになれるよう、努力しないといけないとあらためて感じた」と1週間後のホームでのJ2開幕戦(18日、対山形)を見据えた。

敗れはしたが、FW水野颯太(桐蔭横浜大)、DF三浦颯太(日体大)ら大卒1年目の選手が先発し躍動し、今季から挑む4バックが機能したことも収穫だった。山本は「この試合のテンションを保って。秋まで走り続けたい」。王者に善戦した自信と、負けた悔しさを胸に、J1昇格に挑戦する。